加賀の霊峰白山に登ってきました。古くからの信仰の山で、観光客的な登山者でもっと俗化されていると思ったのですが、それほどではなく、適度な登り甲斐と変化のある景色で思ったより充実した山行となりました。

８月２９日（金）

別当出合の登山口にある登山センター

別当出合の出発点で記念撮影

　 夜行バスで金沢に着いてＪＲで小松に移動。ここから頼んでいた乗合タクシーを待つ。乗ってみると何と私だけで、なんだか運転手さんに悪い気がした。
　 別当出合の乗用車用の駐車場に到着。ここから少し上がるとビジターセンターの建物がある。ちなみにバスはここまで入ってこれるようだ。

吊り橋を渡って振り返る

中飯場避難小屋

　 身繕いをしてから出発、登りは砂防新道を行くことにする。まず正面の吊り橋を渡って登山道に入る。ちょうど体が慣れてきた頃、中飯場避難小屋に着く。ここでお昼ご飯とする。

甚之助避難小屋

弥陀ヶ原の手前にある黒ボコ岩

　 淡々と登っていくと甚之助避難小屋に着く。ちょっと開けていて場所は良いのだが、小屋はボロボロでここで寝ようという気は起こらない。そうはいっても泊まろうとしている学生風の登山者が２名いた。
　 水場を過ぎると黒ボコ岩に着く。ここで観光新道と合流する。ここを過ぎると、弥陀ヶ原に入る。

弥陀ヶ原から望む白山

白山室堂の宿舎

　 弥陀ヶ原は木道もあり気分の良いところ。雲が切れて、初めて白山の山頂を拝むことが出来た。
　 最後にひと登りすると白山室堂に着く。ずいぶん大きくて立派な建物である。宿泊手続きをするがガラガラの様子。ビジターセンター横に食堂があり、その裏に別棟の宿泊棟が何棟か並んでいる。空いているので今日は空けているのは一棟だけである。客室は二段ベッドがずらーっと並んでいて収容可能人員はかなりありそうである。ちなみに私の泊まった部屋は３人しか居なかった。

白山神社奥宮

室堂から望む弥陀ヶ原と別山

　 白山室堂の建物の後ろには白山神社の奥宮がある。富士山、立山と並ぶ山岳信仰の山であるが神社は至って質素なもの。ぐるっと正面に戻ると眼下に弥陀ヶ原が見渡せてなかなか良い景色だ。正面左手に別山が見える。ちなみに、裏手からは御岳山が見えた。

御前峰に向かう途中、室堂を望む

御前峰への中腹にある高天原

　 翌朝はお天気はイマイチだが、まだ雨は降っていない。朝食後、正面にある御前峰に向かって出発。周りには誰もいない。登っていくと室堂の建物がよく見える。途中、高天原と名づけられたところを通る。名前ほど大したことはなく、山腹がちょっとテラス状になっているだけのことである。

白山・御前峰山頂

御前峰山頂の様子

　 やがて御前峰の山頂に到着。山頂直下には白山神社のお社がある。これだけ有名な山でありながら、山頂には人影がない。８月下旬だとこんなものなのだろうか？山頂付近からはガスで覆われてほとんど見晴らしはない。

御前峰から望む剣ヶ峰と紺屋ヶ池

剣ヶ峰と翠ヶ池

　 白山の山頂付近は完全に火山性の地形である。草も何も生えていない幾つかの峰と火口湖らしき池が点在しており、まさに山岳信仰の舞台に相応しい景観である。

御前峰を翠ヶ池方面から望む

千蛇ヶ池付近から望む大汝峰

　 いくつかの池を巡って白山室堂に戻る。雲が多く見晴らしはあまり良くなかったが、周回コースは地形の変化がなかなか楽しかった。一周して白山室堂に着く前に雨が降ってきた。

黒ボコ岩付近の観光新道（右）への分岐

殿ヶ池避難小屋

　 別当出合への下りは観光新道経由とする。黒ボコ岩まで戻り、そこから右に進む。途中斜面を大きく下ったところに殿ヶ池避難小屋がある。名前の通り、正面直下に池がある。中はまずまずで一応トイレも付いている。水場がないのがちょっと課題ではある。
　 雨が激しくなってきたので様子見していたが、止む気配なく、あきらめて出発する。

別当坂分岐、直進は禅定道

別当出合に無事到着

　 観光新道を別当坂分岐まで進む。ここからは左に折れて、谷に向かってぐんぐん下っていく。結構急な坂である。逆コースの場合、いきなりこの急坂を登ることになるわけでちょっときつく感じるかも知れない。
　 やがてビジターセンター前にひょっこり飛び出す。今日は土曜日だが天気が悪いせいかこれから登ろうという人はあまりいない様子である。それにしても、 途中だいぶん雨に降られたが、無事戻ってこられて良かった。
　 白山は室堂までもそれほど厳しくなく、また山頂付近の地形が思ったより面白く見応えのある山だった。
　 帰路はバスで金沢に向かう。夜行バスの出発まで余裕があったので、兼六園や金沢城を見学し、駅近くの立寄り湯でゆっくりすることができた。

（おわり）

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