塔ノ峰青少年の家を利用する計画があり、その下見を兼ねて箱根・塔ノ峰に登ってきました。山頂付近は少し雪が残っており、冬の山歩きらしい雰囲気が味わえました。

風祭駅方面を振り返る

江戸時代に作られた上水之尾用水溜池

　 箱根登山鉄道の風祭駅で降りる。そういえば、以前は箱根登山線と小田急線の軌間が異なるため、この付近は三線軌条だったのだが、いつの間にか小田急線の狭軌だけになっていた。
　 さて、駅から山側の道に出て、いったん小田原方面に戻るように歩く。妙覚寺の角を左に入り用水路沿いに登っていく。みかん畑の脇を登っていくと車道が通じている。右手に行くと水之尾バス停があるようだ。ここを左手に進む。こじんまりとした集落があり、意外に開けたところである。
　 更に進むと、威張山林道の起点がある。道は立派に舗装されている。ここをしばらく進むと、やがて左手にため池が現れる。由来書きによると江戸時代中期に整備された上水之尾用水の水源とのこと。

威張山林道との分岐点にあるゲート

塔ノ峰に向かう登山路の入口

　 更にしばらく行くと左右に道が分岐していて左手はゲートが閉まっている。道なりは右方向なので、たぶんそっちと思いつつ念のため左手ゲート脇の標識を確認すると、塔ノ峰はこちら側となっていた。確認してよかった。
　 ここで猟犬を従えたハンターに出会う。これからイノシシ狩りをするとのことだ。この付近はイノシシがいっぱい居るらしい。
　 さて、このあたりの林道もなかなか立派に舗装されていて、閉鎖されているのが少々勿体ない。
　 途中、道路脇から登山路が分岐しており、塔ノ峰はこちらを登るようになっている。

雪が出てきた林間の道を行く

樹林に囲まれた塔ノ峰の山頂

　 登山路ははじめは草でやや歩きにくいが、やがて整備された植林地の中を歩く道となる。ただし見晴らしは良くない。標高４５０ｍ地点位から雪が出てくるが軽アイゼンを付けるほどではない。
　 そのままなだらかに登っていくと、塔ノ峰の山頂に着く。樹林帯の中にひっそりと標識があり、ここも見晴らしはない。山頂から阿弥陀寺、塔ノ沢駅方面に下る道が分かれている。ちょうど１２時になったのでお昼ご飯とする。

遙かに望む明神ヶ岳

足柄幹線林道との合流点

　 昼食後、今回の本来の目的である塔ノ峰青少年の家に向かう。
　 山頂を出てすぐ、右手が開けていて、雪化粧した丹沢が望まれる。主脈稜線が一望できてなかなか美しい。八ヶ岳連峰を眺めているような感じがする。
　 １５分も下ると足柄幹線林道に出た。道路部分には雪がない状態だった。ここは途中まで歩いた威張山林道の分岐線がちょうど合流している。足柄幹線林道を久野方面に少し下るとゲートがあり閉じられていた。脇を抜けると青少年の家の入口に着く。ここまで来たのだからと坂を登って施設のあるところまで行く。思ったより急である。

塔ノ峰青少年の家に到着

阿弥陀寺の上にある石窟

　 ３連休とはいえ冬季なので青少年の家には利用者はいなかった。たまたま管理人さんが居たのであいさつをする。話によると先週の大雪の時に２５センチほど積雪があり、幹線林道も通行止めになったらしい。除雪をして開通間近なところでまた３センチほど積雪があり連休前の開通が遅れたとのこと。
　 青年の家を辞して、再び足柄幹線林道に戻る。塔ノ峰の入口のところで、宮城野から明星ヶ岳のコースを下見してきたＫさんと合流する。さすがにそちらの方は雪が深く、途中軽アイゼン無しでは歩けなかったとのこと。
　 塔ノ峰山頂まで戻り、今度は塔ノ沢方面に下る。はじめはそれほど急な斜面ではなかったのだが、次第に急になる。途中、脇道の先に岩屋があり、そこに立ち寄る。なぜかこの周辺だけ岩が露出している。あたりは常緑樹が多く、もう春のような景色だ。

阿弥陀寺のお堂

橋上駅に改装中の箱根湯本駅

　 急な道をさらに下り、最後に竹林の間を抜けると阿弥陀寺に着いた。それなりに由緒ありそうなのだが、我々の他は誰ひとりとしていない。境内も若干荒れ気味で、ちょっとうらぶれた感じだ。外れとはいえ観光地の近くなのだから、もう少しうまくやれば良いと思うのだが。
　 少しばかり休憩して、さらに下ると塔ノ沢と箱根湯本方面との分岐がある。電車の乗り換えのことも考え、左手、箱根湯本駅方面に下る。塔ノ峰山頂から１時間２０分、思ったより時間がかかってしまった。
　 連休の最終日とあって、箱根湯本駅周辺は新宿方面に帰る観光客で混み合っていた。

（おしまい）

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